訂正仕訳

仕訳は、取引がある度に行いますので、取引の回数が多くなれば当然、仕訳を行う回数も多くなってきます。そうなると、 間違った仕訳をしてしまうこともあります。


以前、行った仕訳が間違っていたことに気づいた時は、訂正仕訳というものを行います。訂正仕訳とは、 間違った仕訳はそのまま残しておいて、結果を正しくするために新たに仕訳を追加することです。


決して、間違っている仕訳を消しゴムで消したり、修正液等を使って訂正してはいけません。そういったことができてしまうと、 金額を書きかえて売上を誤魔化したり、といったこともできてしまうからです。


また、帳簿は、会社の資金の流れを「漏れなく」、「事実をありのままに」記録しなければなりません。したがって、訂正を行った際は、 訂正したという履歴を残さなければいけません。


ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、それでは、どうやって訂正仕訳を行うかを見ていきましょう。訂正仕訳を行うには、 ポイントが4つあります


この4つのポイントは、LEC出版の「10日で合格(うか)る!日商簿記3級最速マスター」に書かれていて、私が、 勉強しているときに非常にわかりやすかったので、これを参考にしたいと思います。


このポイントに沿って訂正仕訳を行っていけば、それほど難しくないので、是非このやり方を覚えてください。


訂正仕訳のポイント

ポイント1 正しい仕訳を行う。 (A)
ポイント2 誤った仕訳を行う。
ポイント3 誤った仕訳の逆仕訳を行う。 (B)
ポイント4 (A) + (B)


これだけ見ても、何が何だか?だと思いますので、実際の取引に当てはめながら説明したいと思います。


試験では、「XXを行った際、誤って○○の仕訳を行ってしまった。これを訂正しなさい。」といった感じの問題が出題されます。「XX」 には取引内容が入ります。


例題を見てみましょう。


尾張商店から、売掛金100,000を現金で回収した際に、誤って貸方を売上と仕訳していたので、これを訂正しなさい。


まずは、この問題を見て、正しい仕訳を導きます。


ポイント1 正しい仕訳を行う。 ・ ・ ・ (A)

借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000

 

「売掛金100,000を現金で回収した際に」という記述があるので、この仕訳は問題ないですよね。


次は、間違った仕訳を行います。


ポイント2 誤った仕訳を行う。

借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売 上) 100,000

 

「誤って貸方を売上と仕訳していた」という記述があるので、貸方に売掛金ではなく、売上を記入した仕訳を行います。


そして次は、 「ポイント 2」の仕訳の逆仕訳を行います。


ポイント3 誤った仕訳の逆仕訳を行う。 ・ ・ ・ (B)

借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (現 金) 100,000

 

これは、単に「ポイント 2」の仕訳の借方と貸方を逆にしただけです。


最後は、「ポイント1」と「ポイント3」の仕訳を比較して、同じ勘定科目が、借方同士、貸方同士にあったら足して、 貸借逆に存在していたら相殺を行います。


ポイント4 (A)+(B)


「ポイント1」と「ポイント3」の仕訳を比較した際に、2つの仕訳には共に、現金勘定があります。今回は、借方と貸方に分かれているので、 現金勘定は相殺してしまいます。(借方、 貸方同士に合った場合のケースについては、次の取引で説明します。)


よって訂正仕訳は、
 

借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000


となります。

もう一つ、別の取引を見てみましょう。

商品60,000円を掛売りした際、誤って、貸借を反対に仕訳していた。これを、訂正しなさい。


ポイント1 正しい仕訳を行う。 ・ ・ ・ (A)

借   方 貸   方
(売掛金) 60,000 (売 上) 60,000

 

ポイント2 誤った仕訳を行う。

借   方 貸   方
(売 上) 60,000 (売掛金) 60,000

 

ポイント3 誤った仕訳の逆仕訳を行う。 ・ ・ ・ (B)

借   方 貸   方
(売掛金) 60,000 (売 上) 60,000

 

ここまでは、大丈夫でしょうか?今回の取引は、貸借を反対に仕訳しているだけなので使用している勘定科目は、売掛金と売上のみで、 それを借方、貸方、交互に記入しているだけです。


ポイント4 (A)+(B)


今回の2つの仕訳は、借方同士が売掛金、貸方同士が売上と、同じ勘定科目になっていますよね。こういった場合は、 それぞれの勘定科目を足してしまいます。


よって訂正仕訳は、


借   方 貸   方
(売掛金) 120,000 (売 上) 120,000


となります。

これまで、2つの取引の訂正仕訳をしてきましたが、どうでしたか?訂正仕訳というと複雑そうな感じがしますが、 今回の4つのポイントに沿って、仕訳をしていけばそれ程、難しくはないと思います。
ただ、慣れないとすぐに、この仕訳ができないので、何度も問題を解いて訂正仕訳に慣れてください。

スポンサードリンク

2005年10月15日 15:22

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このリストは、次のエントリーを参照しています: 訂正仕訳:

» Jordan F. from Jordan F.
Sometimes it's hard to avoid the happiness of others. [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年08月18日 17:02

コメント

独学してますが、このページで理解することが
できました。テキストの表現の仕方・説明の仕方が
わかりにくかったですね。これは簿記だけに言えることではないでしょうが。

訂正仕訳は、つまり、「間違った仕訳を総勘定帳で削除
できないために」、訂正仕訳を総勘定帳に追記すること
により、間違った仕訳+訂正仕訳によって、勘定科目・
金額の相殺・和算ができ、総勘定帳を正しい仕訳に
誘導するための追加記入の仕訳のことですよね。

句読点が多くわかりにくい文章になってしまいましたが、訂正仕訳の役割・使い方とは上記のようなことだとこのページを見てわかりました。ありがとうございました ^^

それにしても、テキストの説明・表現不足はひどい。

投稿者 通りすがり : 2006年01月25日 13:25

お役に立ててなによりです(^。^)

テキストの場合は、試験に合格するというのが目的になっているため
必要以上の説明を省いているのだと思います。

確かに、簿記は掘り下げていくといくらでも、疑問点がわいてきます。
特に、簿記3級は基本的な簿記の知識を習得するのが目的ですので、
すべてを調べていたら、時間がいくらあってもたらないでしょう。

なので、テキストは無駄がないようにスリムになっているため、
ある意味わかりづらいという内容になっているのだと思います。

しかし、私は「なんで?」と思うと気になって先に進めない性格のため
時間が許す限り、色々な本で調べたりしました。

(結局は試験とは関係ないことまで調べることになってしまうのですが^_^; )

それで得た知識をこれから簿記の学習をする人に提供できたら学習の
効率が上がるのではないかと思って、当サイトを作成しましたので、
「おかげで理解できました」というコメントは本当にうれしです。

こちらこそありがとうございました。

勉強がんばってくださいね。

投稿者 管理人 : 2006年01月25日 14:41

訂正仕訳に関する質問です。

(例題1)

正しい仕訳

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000

訂正仕訳

借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

・・・ということですが、訂正仕訳では(借方)=(売上)となってしまい、取引の実態を表していないのではないでしょうか?本来は(借方)=(現金)となるべきだと思うのですが・
・・。


(例題2)

実際のは60,000円の取引なのに、訂正後では12,000の取引になってしまっています。これはどうしてなのでしょうか?やはり取引の実態を表していないように思うのですが・・・・


独学で勉強しているのですが、どうしても理解できなくて困っている箇所です。助けてください・・・

投稿者 ユウスケ : 2006年04月09日 18:43

ユウスケ様

この度は、ご質問を頂きまことにありがとうございます。

この訂正仕訳はとてもややこしいので、改めて説明させて頂きますね。

結論からいいますと、訂正仕訳は、


   借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

が正解です。

それは、なぜかということをご説明しますね。

まず、例題を見てください。

尾張商店から、売掛金100,000を現金で回収した際に、誤って貸方を売上と仕訳していたので、これを訂正しなさい。
とありますよね。

つまり、

最初は、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000

と記入しなければいけないところを、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売上) 100,000

と記入してしまったのです。

なので、これを訂正しなさいというのがこの問題です。

例題では、間違って記入してしまったので現金が100,000円増加した理由が、売上げに
よるものになっていますよね。


本当は、現金が増加したの理由は、売掛金の回収なので、このままではおかしくなってしまいます。

ですから、訂正仕訳を行うんです。

ここまでは、問題ないですか?

では、どうして、答えが


   借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

になるかというと、


今現在の帳簿の状態は、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売上) 100,000

となっています。

ですから、後で他の人が帳簿を見ると、「100,000円の売上げがあったんだー」と
思ってしまうわけです。
しかし、これは、間違っているから訂正しなければいけません。

どうやって訂正するかというと、

逆仕訳ということを行います。

つまり、貸方に「売上」があるので、借方に「売上」を記入して売上の金額を
0円にしてしまうんです。

    借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

借方に売上が記入されていますよね。

これによって、帳簿上から売上の金額が0円になるので、「売上による金額はないんだー」
という風になるわけです。

しかし、現金は、100,000円増加しているわけですから、貸方に100,000円の勘定科目
がないと、帳簿の貸借の金額が合わなくなってしまいます。

そこで、本来の原因である、売掛金を貸方に記入するんです。

ですから答えは、


借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

となるわけです。

ここまでの話をまとめると、

1.売掛金を間違えて売上と書いてしまった。
2.売上をなかったことにしたいので、借方に売上を記入する。
3.本来は、売上ではなく売掛金なので、貸方に売掛金を記入する。
4.訂正仕訳は、借方が、売上になって貸方が売掛金になる。

というわけです。

ユウスケ様がおっしゃられているように訂正仕訳を、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000

にしていまうと、

(間違った仕訳)
     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売上) 100,000


(訂正仕訳)
    借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000


になるので、

  借   方 貸   方

(現 金) 200,000 (売上) 100,000
         (売掛金) 100,000

になってしまいますよね。


ここら辺は、ちょっとややこしいので、なんども読んで頂いて理解して
頂ければと思います。

長々とご説明してしまって申し訳ございませんでした。

今後ともよろしくお願いいたします。


管理人


投稿者 管理人 : 2006年04月11日 06:42

ユウスケ様

この度は、ご質問を頂きまことにありがとうございます。

この訂正仕訳はとてもややこしいので、改めて説明させて頂きますね。

結論からいいますと、訂正仕訳は、


   借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

が正解です。

それは、なぜかということをご説明しますね。

まず、例題を見てください。

尾張商店から、売掛金100,000を現金で回収した際に、誤って貸方を売上と仕訳していたので、これを訂正しなさい。
とありますよね。

つまり、

最初は、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000

と記入しなければいけないところを、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売上) 100,000

と記入してしまったのです。

なので、これを訂正しなさいというのがこの問題です。

例題では、間違って記入してしまったので現金が100,000円増加した理由が、売上げに
よるものになっていますよね。


本当は、現金が増加したの理由は、売掛金の回収なので、このままではおかしくなってしまいます。

ですから、訂正仕訳を行うんです。

ここまでは、問題ないですか?

では、どうして、答えが


   借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

になるかというと、


今現在の帳簿の状態は、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売上) 100,000

となっています。

ですから、後で他の人が帳簿を見ると、「100,000円の売上げがあったんだー」と
思ってしまうわけです。
しかし、これは、間違っているから訂正しなければいけません。

どうやって訂正するかというと、

逆仕訳ということを行います。

つまり、貸方に「売上」があるので、借方に「売上」を記入して売上の金額を
0円にしてしまうんです。

    借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

借方に売上が記入されていますよね。

これによって、帳簿上から売上の金額が0円になるので、「売上による金額はないんだー」
という風になるわけです。

しかし、現金は、100,000円増加しているわけですから、貸方に100,000円の勘定科目
がないと、帳簿の貸借の金額が合わなくなってしまいます。

そこで、本来の原因である、売掛金を貸方に記入するんです。

ですから答えは、


借   方 貸   方
(売 上) 100,000 (売掛金) 100,000

となるわけです。

ここまでの話をまとめると、

1.売掛金を間違えて売上と書いてしまった。
2.売上をなかったことにしたいので、借方に売上を記入する。
3.本来は、売上ではなく売掛金なので、貸方に売掛金を記入する。
4.訂正仕訳は、借方が、売上になって貸方が売掛金になる。

というわけです。

ユウスケ様がおっしゃられているように訂正仕訳を、

     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000

にしていまうと、

(間違った仕訳)
     借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売上) 100,000


(訂正仕訳)
    借   方 貸   方
(現 金) 100,000 (売掛金) 100,000


になるので、

  借   方 貸   方

(現 金) 200,000 (売上) 100,000
         (売掛金) 100,000

になってしまいますよね。


ここら辺は、ちょっとややこしいので、なんども読んで頂いて理解して
頂ければと思います。

長々とご説明してしまって申し訳ございませんでした。

今後ともよろしくお願いいたします。


管理人


投稿者 管理人 : 2006年04月11日 06:44

コメントはこちらからどうぞ




保存しますか?