簿記3級を取得したら就活に活かせるか?
ごく一部の人を除いて、簿記3級を取得するのは「就活に活かすため」という方がほとんどではないかと思います。
簿記3級は履歴書に堂々と書ける資格ですので、「簿記3級でも就活に活かせる?」の問いに対しては「はい」と答えることができます。
しかし、「簿記3級でも就活に活かせる?」の真の意味が、単に「簿記3級は就活に使える?」ということではなく「簿記3級で就活を成功させられる?」だとしたら……
答えに詰まってしまうのが本当のところです。
ここでまず「就活」について考えてみましょう。
「就活」の難しさは、その時々の景気や経済状況に左右されるものです。
かつての高度経済成長時代やバブル時代のように、人手不足で求人倍率が高い時ならば、企業も積極的に人材確保に乗り出していたため、就活も容易でした。極端な話、「名前さえ書けば受かる」なんていう時代もあったのです。
しかし、ご存知のように現在はその対極にあるといってもよいほど、就活は困難を極めています。
長引く不況の影響で、企業は新卒・中途採用を問わず、新しく人を雇い入れることに積極的ではありません。
なぜ企業が新規採用を控えるのかといえば、新しく人を雇い、その人を「戦力化」するために時間や費用をかけることを避けるためです。つまり「即戦力」になれる人材以外は、採用したくない状況なのです。
さて、「簿記3級」は簿記の基礎的な知識を証明する資格ですが、経理の実務能力を証明するものではありません。つまり簿記3級を取得しただけでは、新しい職場で「即戦力」になるのは難しいのです。
企業側でも、履歴書の「資格」欄に「日商簿記3級取得」とあるだけでは、あなたが「即戦力」になれるとは思わないでしょう。
そんななかで、簿記3級を取得することがどれほど就活にメリットをもたらすのか。
ここで肝心なのは、「『簿記3級取得』を就活に活かせる仕事とは何か」を考えることです。
「簿記3級取得」を就活に活かせる仕事とは何かと言うと、たとえば「経理補助」の仕事がそれに当たります。
最初は主に電話対応やお茶出し、コピー取りなどの雑務と並行して、小口現金の管理や伝票記入など経理の補助業務を担当する仕事です。
こういった仕事は専門性こそ高くないものの、企業にとってなくてはならない業務ですし、簿記3級の知識が大いに活かせる仕事でもあります。また、求人も一定の数はあるでしょう。
しかし、仕事内容から給与がそれほど高くないことは明らかですし、年齢の若い人が採用されやすいといった傾向もありますので、待遇面や年齢で折り合いがつかない方も多いと思います。
また、たまに「未経験可」の経理職の求人も見かけますが、そう銘打っていても実際には経理の経験者か、簿記2級以上の取得者が優先的に採用されることが多く、簿記3級取得だけでは不利なことは間違いありません。
今回はかなり厳しい話になってしまいましたが、正直なところをお伝えすると、これが現在の「就活」を取り巻く偽らざる真実です。
昨今の不景気は、もともと狭かった就活の門をますます狭めています。
しかしそれに挫けず、「簿記3級さえ取っておけば安心」という気持ちを捨て、就活を有利に進められるために何をすべきかをよく研究し、準備しておくことが重要だと思います。
