第4問の出題パターンと対策の解説
第4問は、伝票問題が多く出題されます。配点は8点まれに10点と、決して多くはありませんが、ヤマを張りやすい問題ですので、ぜひ完答をめざしてください。
伝票会計は仕訳や決算書と違って、やや特殊な形式なので、慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、パターンは決まっているので一度理解してしまえば非常に解きやすい問題でもあります。
頻繁に出題されるのは、【3伝票制】といわれる伝票作成方法です。
3伝票制では、入金伝票・出金伝票・振替伝票の3種類の伝票を使用します。
入金伝票・出金伝票はその名のとおり、現金の出入りに関する取引を起票したものです。入金伝票は「現金の増加」、出金伝票は「現金の減少」と決まっているので、あとは相手勘定が何なのかを考えるだけでOKです。
振替伝票にはそれ以外の取引、つまり現金の増減に関係しない取引を起票します。たとえば、売上、仕入の「掛け取引」や「手形取引」がこれにあたります。
3伝票制の出題パターンは、大まかに2通りあります。
- 現金の取引とそれ以外の取引に分け、入出金伝票と振替伝票にそれぞれ記入する方法
- いったんすべての取引を振替伝票にまとめたのち、現金取引の部分を入出金伝票に記入する方法
では、実際の問題で①と②の違いを見てみましょう。
例:商品600,000円を仕入れ、代金のうち200,000円を現金で支払い、残額は掛けとした。
まず、取引の仕訳を考えてみます。
(借)仕入 600,000 / (貸)現金 200,000
(貸)買掛金 400,000
次に、①、②それぞれの方法で伝票を作成します。
①
[出金伝票]
仕入 200,000
[振替伝票]
仕入 400,000/買掛金 400,000
②
[振替伝票]
仕入 600,000/買掛金 600,000
[出金伝票]
買掛金 200,000
①、②いずれも使用する伝票は同じですが、金額や相手勘定が違っていますね。
①のほうは比較的わかりやすいと思います。
仕訳の貸方にある現金・買掛金の金額を、そのまま出金伝票・振替伝票に記入し、相手勘定を「仕入」にすれば一丁上がりです。
それに対し、②は「あれ?」と思われるかもしれません。
「[振替伝票]の「買掛金」の金額が、なぜ600,000円なの? 実際の掛け代金は400,000円じゃない」
とか、
「[出金伝票]の相手勘定がなぜ「買掛金」なの? 仕入と同時に現金払いしてるんだから、相手勘定は「仕入」でしょ」
などの点に、まず違和感を抱きますよね。
違和感を解消するために、②の方法については仕訳の段階で以下のようにイメージするとわかりやすいと思います。
(借)仕入 600,000 / (貸)買掛金 600,000(うち、現金200,000)
取引の仕訳と見比べると奇妙に思える②の起票方法、もちろん間違いではありませんし、①と比べて良い点もあるのです。
それは、「[振替伝票]を見れば、仕入(または売上)の総額がわかる」という点です。①の方法ですと、[出金伝票]と[振替伝票]の両方を見ないと、仕入・売上の総額はわかりませんよね。そういった利点からみると、②の方法はやや複雑ながら、実務的で便利な方法といえます。
最初にご説明した「いったんすべての取引を振替伝票にまとめ」というのが、「仕入」の全額をいったんすべて「買掛金」に振り替える、ということになります。そして、現金で支払った金額を、「買掛金」から「現金」に振り替えます。
やはり慣れが肝心ですので、とくに②の方法については基礎から応用まで繰り返し練習し、しっかりマスターしておきましょう。
第4問には伝票問題のほかに、勘定記入や訂正仕訳の問題などが出題されることもありますが、第2、3、5問の学習をしっかり行っていれば、十分対応できるレベルの問題です。
しかしヤマが外れて、「伝票問題に勝負をかけたのに、がっかり…」と思われるかもしれませんが、伝票会計は実務に必須の知識ですし、勉強しておいて損はありません。経理職への就職・転職などをお考えの方は、ぜひマスターしてください。
