第2回 事実上の倒産

よくニュースなどで、
「株式会社XXXが事実上倒産しました。」
というのを聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

では、この「事実上」というのはどういう意味なんでしょうか?


ただの「倒産」と「事実上の倒産」とは意味が違うのでしょうか?

今回のコラムではその辺についてご説明したいと思います。


まず、どういった場合に「事実上の倒産」がおこるのかを見ていきたいと思います。

A社とB社という会社があったとします。

A社はB社から商品を購入し、約束手形を振り出して支払いをしました。


支払期日になりB社は、A社から受け取った手形を換金しようと思ったのですが、
A社の当座預金に残高がなく、B社はお金を受け取れない状態になってしまいました。

この場合、A社は不渡りという処分をうけることになります。そして、 この不渡りを6ヶ月以内に2回出してしまうとA社は、「銀行取引停止処分」となってしまいます。


銀行取引停止処分とは、処分を受けた日から2年間、銀行などの金融機関との取引を停止される処分のことです。

これにより当座取引及び貸出取引ができなくなり、手形や小切手を振り出すことも、貸付による借り入れもできなくなります。

つまり、現金のみの取引しかできなくなってしまうのです。


こうなると最悪です。銀行取引停止処分の情報は、あっというまに広まってしまい

「あの会社はやばい」 「取引しても支払ってくれない」

と思われ信用力ががた落ちになってしまいます。その結果、どの会社も取引をしてくれなくなります。

こうなると、仕入れや支払いが困難になり、「事実上の倒産」となってしまうのです。


こういった状態でも、取引先を見つけて金融機関にたよらずに現金取引のみの経営ができれば問題ないんです。ですから、 この段階では倒産はしていないんです。


でも、実際問題は難しく、大抵、倒産という形になってしまうので、「事実上の倒産」と言われるんですね。


倒産というのは、 経済的に破綻して債務をどれも返済できなくなり、経済活動をそのまま続けることが不可能になった状態のことをいいます。


経営に行き詰まって会社がなくなるといった限定的なニュアンスで使われる場合もありますが、倒産の対象となるのは会社だけではなく個人 (自然人)も含まれます。

会社の倒産については、新聞などの報道では、最近は経営破綻という言葉が使われることが多いです。


「倒産」については、裁判所が関与しますが「事実上の倒産」については裁判所は関与しません。

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