備考:決算整理仕訳の解説(売上原価)

このページでは、「精算表の記入方法(2)」の決算整理仕訳について解説したいと思います。

ここでは、(1)期末商品棚卸高は、13,000円である。売上原価は「仕入」の行で計算すること。

について解説したいと思います。



(1)期末商品棚卸高は、13,000円である。売上原価は「仕入」の行で計算すること。

この問題は、売上原価を仕訳であらわす問題ですよね。売上原価を求める公式を覚えていますか。

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高

でしたよね。

この問題を解くには、ポイントは3つあります。

1.売上原価の意味を理解しているか?
2.「期首商品棚卸高」、「当期商品仕入高」、「期末商品棚卸高」の意味を理解しているか?
3.精算表の「繰越商品」の金額と「仕入」の金額を利用する。

ということです。

売上原価というのは、「売れた商品を仕入れるのに、 いくらお金をかけたのか(コスト)」ということです。

つまり、売れ残った商品にかけたお金は売上原価とはいいません。

これを、しっかりと理解してください。


つぎは、「期首商品棚卸高」、「当期商品仕入高」、「期末商品棚卸高」の意味を理解しているかということですが、 それぞれについて簡単に説明したいと思います。

<期首商品棚卸高>
期首商品棚卸高というのは、倉庫などに残っている前期からの売れ残りの商品の金額つまり、在庫商品の金額を表しています。勘定科目に表すと 「繰越商品」という資産の勘定になります。

<当期商品仕入高>
当期商品仕入高というのは、当期に仕入れた商品の金額をあらわし、勘定科目で表すと仕入になります。

<期末商品棚卸高>
期末商品棚卸高というのは、当期に売れ残ってしまった商品の金額のことで、来期は在庫になる商品の金額を表しています。


それでは、もう1度、問題を見てください。「期末商品棚卸高は、13,000円である。」とありますよね。ということは、 13,000円分の商品が売れ残ってしまったということなんです。

売れ残った商品の金額はわかりましたが、売れた商品の金額はいくらなのでしょうか?


ここで、精算表の「繰越商品」と「仕入」を使用します。

先ほど説明しましたが、繰越商品とは在庫商品のことです。精算表の試算表欄を見ると「9,000」となっています。これは、 前期から売れ残っている商品の金額は9,000円ということを表しています。

では、仕入を見てください。「74,000」となっていますね。これは、 当期は74,000円分の商品を仕入れたということになります。


では、当期の商品は全部でいくらになるのでしょうか?

これは、簡単ですよね。

在庫の商品の金額と仕入れた商品の金額を足せばよいだけですから、

9,000 + 74,000 = 83,000

83,000円ですよね。

これを仕訳する場合が、少し面倒くさいんですね。


当期に仕入れた商品74,000円は、仕入勘定になっているので問題ないのですが、在庫の商品9,000円は、繰越商品勘定なんですね。

つまり、両方とも仕入れた金額なのに、帳簿上では別々の扱いになっているんです。精算表を見ていただければわかりますよね。

なので、繰越商品勘定を仕入勘定に振り替えるという作業が必要になってきます。

 

(仕   入) 9,000 (繰越商品) 9,000

 

という仕訳なんですね。


これで、仕入れた商品の金額(仕入勘定)が、83,000円になりました。


よって、売上原価は83,000円ということになれば良いのですが、ちょっと待ってください。

問題に、「期末商品棚卸高は、13,000円である。」と書いてありましたよね。

売上原価は、売れた商品を仕入れるのにかかった金額ですから、 仕入れた商品の金額83,000円から売れ残った商品の金額13,000円を引かなくてはいけないんですね。

これを仕訳で表すにはどうすればいいのでしょうか?


今回は、売れ残った商品の金額を求めるのですから、仕入勘定から繰越商品勘定に振り替えればいいんですね。

 

(繰越商品) 13,000 (仕   入) 13,000

 

よって、(1)の仕訳は、

 

借   方 貸   方
(仕   入) 9,000 (繰越商品) 9,000
(繰越商品) 13,000 (仕   入) 13,000

 

になるんです。

だいぶ長くなってしまいましたが理解して頂けたでしょうか?

スポンサードリンク

2006年03月03日 14:52

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメント

初めまして。

16行目の「売上減価」は「売上原価」の事で宜しいですか?

ここまで学習している&文脈からして普通に考えれば・・・という訳で、まるで粗探しをしている様な形になってしまい申し訳有りません。
(寧ろ、この指摘が間違っていたなら、更に申し訳無いです)

折角の良質なサイトですから、パソコンの妙な変換機能の為に汚点が付くのも勿体無いなぁ、なんてお節介からの事です。
どうかお気を悪くなさらないで下さい。

長々と失礼しました。


投稿者 syachi : 2006年06月01日 00:33

誤字発見!
誤 備考:決算整理仕訳の解説(売上減価)
正 備考:決算整理仕訳の解説(売上原価)

投稿者 川村 : 2006年06月02日 10:31

syachi 様

この度は、ご指摘頂きまして誠にありがとうございます。

syachi様のおっしゃる通り、16行目の「売上減価」は「売上原価」の間違いでした。早速、修正致しました。

とても初歩的な記述ミスをしてしまい、申し訳ございませんでした。

また、「わかりやすい簿記」についてとても嬉しいお言葉を頂きまして、本当に
ありがとうございます。

本当にこのサイトを作成してよかったと思いました。

syachi様、これからも、「わかりやすい簿記」を宜しくお願い致します。

管理人 マサヒコ

投稿者 管理人 : 2006年06月02日 23:30

川村様

この度は、誤字を見つけてくださいまして誠にありがとうございます。

タイトルを間違えてしまうなんて、お恥ずかしい限りです。

早速、修正いたしました。

この度は、誠にありがとうございました。

今後とも、「わかりやすい簿記」を宜しくお願い致します。

管理人 マサヒコ

投稿者 管理人 : 2006年06月03日 07:41

これだけ親切に簿記を解説されているものをなかなか見つけられませんでした。
本屋で下手な本を買うよりもよっぽどわかりやすいものだと思っています。
素人に会計の説明をするときに使わせてもらっています。
ところで私の読解力がないために見落としていたなら申し訳ないのですが、「各勘定の締め切り」について記述されている部分がないと思います。
試験に出題される可能性についてはわかりませんが、簿記の一連の手順の最後に「各勘定の締め切り」がないと、尻切れトンボのような気がします。
ぜひここも作っていただけると幸いです。

投稿者 川村 : 2006年06月06日 10:24

川村様

この度は、コメントを頂きまして誠にありがとうございます。

「わかりやすい簿記」のご感想、本当に嬉しい限りです。
そういって頂けると、とても励みになります。
ありがとうございます。

ところで、川村様にご指摘いただいた通り、「各勘定の締め切り」についての記述がないですね。

確かに、尻切れトンボのようになってしまいますので、追加したいと思います。

川村様、この度は誠にありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

管理人
マサヒコ

投稿者 川村様 : 2006年06月07日 06:31

コメントはこちらからどうぞ




保存しますか?