固定資産と減価償却費(3)

固定資産は不要になったり、耐用年数をすぎて使用できなくなったりした場合は、売却することがあります。


固定資産を売却する場合は、固定資産の帳簿価額(ちょうぼかがく) より売却価格が高いか、低いかを計算する必要があります。


帳簿価額とは、固定資産の取得原価から減価償却累計額を引いた値になります。


帳簿価額 = 取得原価 - 減価償却累計額 


帳簿価額より高く売れた場合は、収益が発生します。この収益を固定資産売却益(収益の勘定)といいます。 逆に帳簿価額より売った金額が低かった場合は、費用が発生します。この費用を固定資産売却損(費用の勘定)といいます。

ようするに、高く売れれば儲けになるし、安く売れれば損をするということですね。


具体的にイメージすると次のようになります。




今度は、固定資産を売却した際の仕訳を見ていきましょう。


その前に注意点があります。固定資産の減価償却を直接法で処理をしたか、間接法で処理をしたかによって売却した際の仕訳を分けて処理します。


なにが違うかというと、間接法の時は減価償却累計額を使用するといった違いだけです。


それでは、仕訳を学習していきます。まずは、直接法で行った場合を見ていき、その後に間接法で行った場合の仕訳をみていきましょう。


直接法

帳簿価額400,000円の建物を900,000円で売却し、代金は小切手で受け取った。減価償却は直接法で記帳している。

 

借   方 貸   方
(現  金) 900,000 (建  物) 400,000
(固定資産売却益) 500,000

 

帳簿価額よりも高く売れたので、固定資産売却益で処理をしてますね。建物は売却しているので資産勘定の貸方に記入します。


今度は、帳簿価額よりも安く売れた場合を見ていきましょう。



帳簿価額800,000円の建物を300,000円で売却し、代金は小切手で受け取った。減価償却は直接法で記帳している。



借   方 貸   方
(現  金) 300,000 (建  物) 800,000
(固定資産売却損) 500,000



帳簿価額よりも安く売れたので、固定資産売却損で処理をします。



次は、間接法の仕訳を見てみましょう。


間接法

取得原価700,000円、減価償却累計額120,000円、 残存価額70,000円の建物を950,000円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。減価償却は、間接法で記帳している。


この場合は、帳簿価額が記載されていないので、まず最初に帳簿価額を求める必要があります。


 700,000    120,000  580,000
取得原価 減価償却累計額 帳簿価額



これで、帳簿価額がわかりました。次に、帳簿価額と売却価格を比較して高いか、低いかを計算します。 この計算結果がプラスなら儲けたことになるので、固定資産売却益勘定で処理をします。 マイナスならば損をしたことになるので固定資産売却損勘定で処理をします。

 

 950,000  580,000  370,000
売却価格 帳簿価額      儲け


それでは、仕訳をしてみましょう。


 

借   方 貸   方
(未 収 金) 950,000 (建  物) 700,000
(減価償却累計額) 120,000 (固定資産売却益) 370,000



 

建物の金額は、取得原価を記入します。帳簿価額よりも売った金額の方が高かったため、固定資産売却益で処理をします。



次は、売却をしたことで損をしてしまった場合の仕訳を見ていきましょう。


取得原価700,000円、減価償却累計額120,000円、残存価額70,000円の建物を350,000円で売却し、 代金は月末に受け取ることにした。減価償却は、間接法で記帳している。

 

先ほど同様、まずは、帳簿価額を求めましょう。

 

700,000    120,000  580,000
取得原価 減価償却累計額 帳簿価額

 


次に、帳簿価額と売却価格を比較して高いか、低いかを計算します。

 

 350,000  580,000  -230,000
売却価格 帳簿価額      損 失



マイナスの値になっているので損をしたということがわかると思います。


仕訳をしてみましょう。

 

借   方 貸   方
(未 収 金) 350,000 (建  物) 700,000
(減価償却累計額) 120,000
(固定資産売却損) 230,000


損をしたので、固定資産売却損で処理をしています。減価償却累計額を使用するのを忘れないでくださいね。


 

固定資産売却益とか損とか堅苦しい用語が出てきましたが、ようするに高く売れたのか、安く売れたのかってことなんですよね。 その点だけをしっかりと理解していれば、あとはこれまで学習した内容と同じなので問題ないと思います。


この「固定資産と減価償却費」は、3つのページにまたがってしまいましたが、これで終わりになります。お疲れ様でした。



 



 

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2005年11月23日 06:37

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コメント

精算表の問題で
「備品について定額法によって減価償却を行う。耐用年数は旧備品十年、新備品6年でであり残存価格はいずれも取得原価の10%である。新備品の減価償却は月割計算による」
という問題で、精算表は備品50000円、減価償却累計額36000円とあり、貸倒償却も原価償却費もきにゅうされていません。
質問も悪いかもしれませんが、どの様にとくのでしょうか?
答えは(借方)減価償却費6000円 (貸方減価償却累計額)6000円です。

投稿者 きらら : 2006年05月11日 12:09

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