手形の裏書

手形取引で受け取った約束手形や為替手形は、支払期日になれば現金化できますが、 それまで資産を使わないで寝かせて置くというのはもったいないですよね。

企業は、儲けを得るために活動しているわけですから、儲けを得るチャンスがあるならば資産を利用したいはずです。

受け取った手形を現金の代わりに支払手段として利用できればチャンスを逃さずに済みますよね。でも、そんなことができるのでしょうか?

できるんです。では、どのように利用すればいいのか見てみましょう。

例えば、あなたがA社に商品を販売し代金をA社振り出しの約束手形で受け取ったとします。

その後に、B社から商品を仕入れて支払の義務が発生しました。 支払方法としてA社から受け取った約束手形の裏面にあなたが署名と捺印をしB社の名前を記載して、 譲渡(譲る)するとその手形を代金の代わりとして支払うことができます。

このように手形の裏面に必要事項(署名、捺印など)を書くことを手形の裏書(うらがき)といい、 この手形を譲渡する事を裏書譲渡(うらがきじょうと) といいます。

今回の場合では、あなたのことを譲渡人(じょうとにん) または、裏書人(うらがきにん) と言い、B社を被裏書人 (ひうらがきにん) と言います。

裏書は、実際に使ったことがないとイメージがわかないですよね。私も勉強してた頃は同じような思いをしてました。でも、 実際に裏書する機会なんてまずないですよね。

なので私は、ナニワ金融道というマンガを読みました。 このマンガはドラマにもなっているので知っている方も多いと思いますが (ドラマではSMAPの中居さんが主演を務めています) 金融業者を舞台にしたお話です。

テーマが金融だけに手形のやり取りが頻繁に出てきます。これがまた詳しく説明されているのでとても勉強になるんです。

いまいち手形のやり取りのイメージがつかめないという人は息抜きがてら読んでみるのも良いかもしれませんね。絵で表現してもらえるのが一番わかりやすいんですよね。 読みすぎに気をつけてくださいね!!

話がそれてすいません。

それでは、実際の取引を見ていく事にしますが裏書譲渡の取引は次の3種類あります。
 1.手形を裏書きした場合
 2.手形を裏書きされた場合
 3.自分が振り出した約束手形を裏書譲渡された場合

それぞれの取引を見ていきましょう。

手形を裏書きした場合:
手形を裏書きした場合は、受け取った手形が消滅してしまうので受取手形勘定の減少、つまり受取手形勘定の貸方に記入します。

相模商店から商品150,000円を仕入れ、代金は以前、加賀商店から受け取った約束手形を裏書き譲渡して支払った。

借   方 貸   方
(仕  入) 150,000 (受取手形) 150,000


手形で支払ったので支払手形勘定を使いたくなりますが、 裏書譲渡の場合は受取手形勘定を使用しますので注意してくださいね。

手形を裏書きされた場合:
手形を裏書された場合とは、商品を販売し代金の代わりに裏書された手形を受け取った場合のことです。

ここでは、裏書された手形となっていますが、考え方は裏書きされていない約束手形を受け取った時と同じです。 手形代金を受け取ることができるので受取手形勘定の借方(増加)に記入します。

尾張商店は、武蔵商店へ商品9,000円を販売し、武蔵商店から代金として伊豆商店振出、 武蔵商店宛の約束手形を裏書譲渡された

借   方 貸   方
(受取手形) 9,000 (売  上) 9,000


今回の取引が行われる前に、武蔵商店と伊豆商店で取引があったことは取引の内容を見ていただくと分かると思いますが、 その取引で伊豆商店が武蔵商店宛の約束手形を振り出しています。今回の取引で武蔵商店がその約束手形を裏書譲渡したということになります。

自分が振り出した約束手形を裏書譲渡された場合:
これは、以前自分が振出した約束手形が回りまわって自分のところに戻ってきた場合です。 こういった場合、手形を受け取ったから受取手形勘定の増加と判断しがちですが残念ながそれは違うんです。

自分が、振出した約束手形を自分で受け取った時は、手形の債務(手形代金を支払う義務) が消滅したことになるので支払手形勘定の減少として支払手形勘定の借方に記入します。

三河商店は、越後商店へ商品200,000円を販売し代金は以前自分が振出した約束手形を裏書譲渡された。

借   方 貸   方
(支払手形) 200,000 (売  上) 200,000


「自分が振り出した約束手形を裏書譲渡された場合」の仕訳のポイントは、手形を受け取った時にそれが過去に自分が振り出した手形だった場合、 受取手形勘定ではなく、 支払手形勘定で考えることです。

手形の裏書き譲渡は、実際に経験がないので分かったような分からないような状態から抜けれない人が多いテーマです。できれば、 普段の学習の時に処理の流れを図で書いて、イメージを描きながら問題を解くようにしてみてください。
慣れてくると、図を描かなくても頭の中で取引が図で浮かんでくるようになります。

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2005年09月12日 23:04

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コメント

裏書の一番上の記入を間違えってしまい、バッテンをし、二段目に正しく記入しました。この手形は、通常通り使用出来るのでしょうか?

投稿者 岡田 知栄子 : 2006年07月18日 13:31

はじめまして。簿記を習い始めたところなんですが、このサイトはすばらしく分かりやすい教科書です!某専門学校で習ったことが理解できずにいたんですが、スッキリしました。特に手形のところは、理解という飛行機が脳を駆け抜けて行きましたよ。
これからも利用させていただきます。

投稿者 がもう : 2007年10月04日 22:39

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